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Posted by Bab at 13:51 / Category: 地誌・地理学 / / 0 TrackBack

2006年05月04日

地理学を参考に基地移転費用負担問題を考える

 あまり教育と関連しない政治的な話をここでしようと思わないのですが、先生の影響か地理学の講義で勉強したことが、ある意味タイムリーな話題とぶつかるので、ご紹介したいと思います。

 東南アジアの安全保障というテーマは、東および東南アジアの位置関係より、空間的に物事を捉える地理学の特に人文地理学のテーマとなりうる訳です。その中で、最近話題の沖縄の海兵隊の移転費用の保証の問題を、よく有識者と呼ばれる人の手法である外国の例を出して少々の検討をしたものでした。

日本
 ・移転費用の負担:移転費用の59%を負担
   →総額は1兆円とも実は3兆円とも言われてます
 ・米軍基地全体への日本の年間の負担:2,326億円(2006年度予算)


フィリピン
  クラーク空軍基地:1991年移転
  スービック海軍基地:1992年移転
 ・1991年9月16日の米軍基地存続に関する条約の批准をフィリピンの
  上院が拒否(10年で22億ドルを米がフィリピンに支払うという
  内容も含む)
 ・移転費用のフィリピンの負担は一切なし
 ・軍事援助や土地使用料という形などで1979年に5年で5億ドルとか、
  1983年には5年で9億ドルをアメリカがフィリピンに支払うという
  改定基地協定が結ばれた
 ・撤退後は経済特区として貿易振興をはかり発展が著しいエリアになった


 1991年6月のピナトゥボ火山の噴火により、実質的にクラーク空軍基地が使用不能になったことも、撤退がスムーズにいった一因かもしれません。しかし、その影響をみなかったスービック海軍基地も1992年には全面撤退しています。
 基地の設立の背景や意味合いなども日本とフィリピンでは異なります。一概にこれをそのまま比較するのは乱暴であると思います。しかし、したたかなフィリピン人の政治家は巧みな外交交渉力を持っていると言っていいのではないかと思います。

 先生はこう結んでいます。フィリピンの米軍基地移転に際し、当時のマレーシア、シンガポール、タイ、インドネシアなどの東南アジア諸国は東南アジアの安全保障上、東南アジアにおける米軍の駐在は、超大国間の勢力均等を保つ意味で支持できるとしていた。米軍の撤退が力の空白を生んだ時、日本や中国という大国の進出を東南アジア各国は懸念していた。しかし、現実としてフィリピンに攻め込んだ国が10年以上経った今でもないという事実があり、力の空白の懸念は杞憂に過ぎなかった。

 海兵隊の移転問題に関しては、沖縄をはじめとする住民の負担の問題、費用負担の問題、東南アジアの安全保障などが様々に絡んでいる問題です。また、アメリカが米軍をどのような役目で捉えているかということも考える必要があるでしょう。
 しかし、シンプルに考えて思うのは、なるべく負担減らそうよということです。借金が多いんだから節約しようということです。
 秀吉が外国人で、日本を攻めとろうとするならば、世界の小麦と米を買い占め、石油を高騰させ流通量を少なくして、兵糧攻めをするんではないかと妄想してしまいます。物理的に攻めるより、その方が我が国は音を上げてしまうような気がします。その面を強化するために、移転費用のお金を使えた方が有意義だと思うのです。日本の外交交渉に期待したいと思います。

 天の邪鬼なので、先生の話を全て鵜呑みにしませんが、地理学を勉強することで、またニュースを見る目が変わったことは、とても良かったと思いました。



投稿者 Bab : 2006年05月04日 13:51

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