2006年02月24日

発達への影響ー児童虐待(5)

 児童虐待についての復習は今回で最終回にします。今日は児童虐待防止法についてです。正式名称は「児童虐待の防止等に関する法律」です。

 第三条  何人も、児童に対し、虐待をしてはならない。

 (児童虐待の早期発見等)
 第五条 学校、児童福祉施設、病院その他児童の福祉に業務上関係のある
     団体及び学校の教職員、児童福祉施設の職員、医師、保健師、弁護士
     その他児童の福祉に職務上関係のある者は、児童虐待を発見しやすい
     立場にあることを自覚し、児童虐待の早期発見に努めなければならない。

      ⇒児童福祉に関係あるものが早期発見をすること
        →児童と接している人々

   2 前項に規定する者は、児童虐待の予防その他の児童虐待の防止並びに
     児童虐待を受けた児童の保護及び自立の支援に関する国及び地方公共
     団体の施策に協力するよう努めなければならない。

      ⇒連携の重要性

 第六条 児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、
     これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所
     又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所
     若しくは児童相談所に通告しなければならない。

      ⇒「思われる」で通告できるよう法律的にカバーしてます
       しかし、現実に通告することは難しいですよね。
       でも児童虐待は迅速な対応が必要です。
 

 日本人の癖なのかもしれませんが、児童虐待が起きた時に、よく児童相談所の過失などを指摘するマスコミがいます。しかし、基本的に虐待をする者が悪いのであって、その責任を児童相談所に直ぐに結びつけるのはおかしいと思います。ただ、地域社会が機能しなかったり、他人の家庭に首を突っ込まない世の中である今、児童相談所や関連施設に大きな役割を期待せざるを得ない現状は理解できます。しかし、現状の児童相談所は、地域によっては差はあるそうですが、児童福祉司一人当りの相談件数が80〜150件/年という状況であり、実際1件当りに割く時間が限られており十分な対応ができかねるの状況です。
 こういう状況を聞くと、すわっ人員増強、施設増強となるのが普通でしょうね。しかし、そこで考えなければならないのが、そのことによるコスト増を如何に捻出するか。まあ無駄遣いは沢山あるでしょうから、可能なんでしょうけれど、小さい政府でなく大きい政府になって行くという選択であることは間違いありません。個人的には教育と子育ての環境の整備にはもっと予算を割いてほしいとは思っています。しかし、児童虐待にかかわらず行政まかせ人任せでは結局効果が上がり、虐待が無くなったり、いい人財が育成できるとは思えないのです。
 行政の整備は現実的に必要なことですが、同時に子どもたちを守る人間関係やコミュニケーションの創造を図って行かなければならないのではないでしょうか。理想主義かもしれませんが、理想を追い求めることを教えることも教育だと思いますし、それを体現するのが教育の役割であると思います。


参考資料
 児童虐待の防止等に関する法律

 児童福祉法




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2006年02月23日

発達への影響ー児童虐待(4)

 虐待が子どもに大きな影響を与えることを復習してきましたが、実際にどのように対応すべきなのでしょうか!?今日はその対応の復習です。

1 虐待への対応
  虐待は周囲からわかりづらいですが、子どもへの影響が重大です。
  その対応は困難を伴います。

 1)迅速な対応が必要であるが、虐待を把握することが難しい
 2)保護者が虐待者であるため協力を得ることが難しい
 3)虐待の把握や回復環境の確保のために保護者以外とも連携が必要


2 対応の際のポイント
 1)子どもをまず保護すること
 2)子どもの心身両面の治療をすること
 3)子どもを養育すること・・・子どもは日々成長しています
 4)保護者への援助・・・虐待者である親の問題の解決


3 保護者への援助
  虐待における虐待者は、保護者である訳ですが、虐待においては保護者に
  何らかの問題があるケースが多い。  

 1)養育支援が必要となり易い要素
  youikushienyouso.jpg
    厚生労働省資料より作成


  養育環境(53.6%)
   ひとり親家庭(未婚含む)、内縁関係の家庭、転居、地域からの孤立
   子連れ再婚家庭、長期分離あり、定職無し(失業、無職)
   経済不安、健康診査未受診

  養育者の状況(38.9%)
   育児不安、第1子出産時に母親の年齢が10代、
   養育者の性格的傾向(攻撃的・衝動的)
   養育者の感情・情緒不安定、養育者の精神疾患

  子どもの状況(7.5%)
   未熟児、子どもの疾患・障害、発達の遅れ


  このデータは厚生労働省の児童虐待死亡事例の調査から引用していますが、
  ここからは親の感情や生活の安定の重要性が伺えます。

 ただご注意頂きたいのは、このデータはあくまでも児童虐待死亡事例から検証したもので、上記で挙げたような要素は必要となり易いものであって、実際の児童虐待は複雑な要素が絡み合って発生します。これらの要素が多くあったとしても直ちに児童虐待の恐れがある訳ではないので、誤解が無きようお願い致します。
 事実、私自身も3歳で母親を亡くし、小学2年生に父親が再婚するまで片親で過ごし、主に祖母と親戚に育てられました。また転居も何回かしました。しかし、虐待を受けたことはありませんでした。
 基本的に親へのサポートは必要ですし、子どもを保護しても虐待の原因である親の問題を解決して、安定した親の状況を作り出すことが解決策の一つであることは変わりません。
  

参考資料
 「児童虐待死亡事例の検証と今後の虐待防止対策について」




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2006年02月22日

発達への影響ー児童虐待(3)

 江東区のウサギの虐待、滋賀の園児刺殺と弱者に対する暴力の根本は人間における何を源泉としているのでしょう?これに関する勉強は未だしていません。先日、馬の注射器で自分の娘を刺すというニュースが報じられましたが、躾と親は主張しているそうです。子どもがどう感じているか、という視点は親にはないのかもしれません。
 今日は虐待を受けた子どもがどのような行動をするのかを中心に復習致します。


1 児童虐待の発見
 1)虐待を疑ったきっかけ
  gyakutainokikkake.gif

  子ども自身が訴えることはとても少ないことがわかります。
  虐待を知ることが核家族化と地域社会との関連の薄さからより
  判り難くなっています。

 2)虐待を受けた児童の状態
  gyakutaijidou.situation.gif


2 虐待を受けた子どもにみられる行動特徴
  過度の攻撃性
  行動上の逸脱
  自己イメージの貧困     ⇒   子どもの信号
  過度の愛着や嫌悪
  強い不信感


3 虐待から立ち直るために必要な条件
  安心していれること
  子どもが自分の身が安全であると感じられる
  自分が保護されていると実感できること

   ⇒ 子どもが何ら不安を感じずに、伸び伸びと暮らせる環境の必要性


参考文献
 『子ども虐待』 高橋重宏・庄司順一 中央法規出版
 『新・子どもの虐待—生きる力が侵されるとき』 森田ゆり 岩波ブックレット
 「児童虐待における保育所の役割と関係機関の連携のあり方」 下泉秀夫
 児童虐待関連書籍書評集

 
 虐待は周囲が見分けなければ見つかりずらいものです。そして虐待と決めつけ、通報することもためらいもあり、難しさがあります。虐待は本来、親の責任であると思いますが、虐待者が通報することは現実では少ないのも事実です。子どもが家族だけの存在ではなく、社会の宝という価値観を作れば、もっと虐待を見つけ易くなるのかもしれません。
 もっとも虐待をしてしまう人が居なくなる対策を考えることが必要なのでしょう。




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2006年02月21日

発達への影響ー児童虐待(2)

 児童虐待というと暴力などが思い浮かびますが、虐待をどのように定義づけているのでしょうか。児童虐待防止法では第2条に下記の4つのタイプに定義しています。

1)身体的虐待
 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。

2)性的虐待
 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。

3)ネグレクト(放置、養育の怠慢、不適切な養育、安全確保に対する怠慢)
 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、
 保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の
 放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。
  →食事を与えない、車にのせたままでパチンコに行く、etc

4)心理的虐待
 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭に
 おける配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上
 婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃で
 あって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な
 影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える
 言動を行うこと。
  →親同士のDVを目撃することも心理的虐待である


 個人的には3)や4)のケースは意外と多いのではないかと思います。ネグレクトには子どもの話に関心を持たず、話を聞かないケースなどを含んでもいいと思います。また、心理的虐待には親同士がしょっちゅう夫婦喧嘩していることも含めることができると思います。そうしたことを含めると、知らないうちに子どもに虐待をしているケースは多いと言えるのではないでしょうか。
 虐待者なりうるのは親ですから、その親が健全な状態であることがとても大切だと思います。親=大人がより良く生きることというのは、いつの世の中でも求められてきたことでしょうが、実現がとても難しいことです。現代は、親が何だか精一杯で充足しないと感じ易い時代とも言えるかもしれません。それは自己充実あるいは自己充足型の社会とも言えるかもしれません。そんな社会において、勝った負けたの価値観では、広く多くの大人が、良い状態で生きて行くことは難しいかもしれません。


児童虐待についてのみなさんの考え
 ただ今評論家修行中さん
 日々是好日猫三味さん
 不妊治療始めましたさん




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2006年02月20日

発達への影響ー児童虐待(1)

 この頃、報道では目立つ児童虐待。実態ではどうなんでしょうか!?教育心理学の復習と合わせて、考えてみたいと思います。
 厚生労働省の統計資料によると児童相談所の相談件数の推移は、以下のグラフの通りです。
jidousoudansyo.gif
 厚生労働省統計資料より


 少子化という現状を考えると、この数字は大きく増大していると言えるかもしれません。ただ、これは相談があるケースで、それまでは相談されないケースもあったでしょうから、一概にこの相談件数をそのまま捉えて、「増えている」と結論づけることは難しいかもしれません。児童相談所に相談する数の上昇から、児童相談所は機能しているとだけは言えるのではないかと思います。別の見方をすれば、児童虐待が発生した時の対応する施設として、児童相談所が認知されたということかもしれません。また、かつては児童相談所を利用せずとも解決したのかもしれません。

 虐待経験者は虐待者になり易いということが最近言われます。これは教育心理学的には「世代間の伝達」というのですが、「なり易い」であって、「なる」ではありません。外国の統計では、虐待を受けた30〜40%の人が虐待者となるというものがあるそうです。日本では、少年院入所者の6割は虐待経験者であるそうです。


虐待に関するみなさんの考え
 京女のハマリゴトさん
 みいたんのひとりごと 情報求む!!!さん




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2006年02月05日

子どもに癒される

 先日、行きつけのお店に時々来る子どもと遊んでいて気づいたのです。子どもと遊んでやっているのではなくて、子どもと遊ぶことで癒されている自分がいることに!こんな風に言うのは誤解を招きかねないので、実に憚れる昨今ですが、正直にそう思いました。子どもはそんなパワーを持っているのでしょうね。
 知り合いの子どもはちょうど真似をする時期です。大人の口調を真似たり、外や家庭で見たことを自分でやってみたりという時期です。ですから、ちゃんとした手本にならなければと行動したり話をするよう気をつけます。そんな意味でも自分の襟を正したりする機会にもなっています。また、いろんなものを欲しがったりする中で、どう導いて行くべきか考えることも多いです。例えばお菓子を欲しがる子どもにどう接するかなどです。正しい接し方はどうなのか?正しい大人の行動は?

 いいおじさん、格好いいおじさんになるつもりでした。シンが亡くなってからもう20日経ちました。




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2005年12月06日

赤ちゃんの微笑み

 今朝、従妹に子どもが生まれたので見に行って来ました。私の母は私が幼少の頃他界したため、私と姉は母の実家である従妹の家で一時期過ごしました。ですから従妹は私たち姉弟にとっては妹みたいなものなので、赤ちゃんが生まれたのはことのほか嬉しかったです。やや2600gと小さいですが、元気のいい男の子です。久々に生まれたばかりの赤ちゃんをみましたが、本当に赤くて小さくて可愛いんです!(伯父バカ)

 出産は山あり谷ありでした。彼女は今回シングルマザーでの出産を決断しました。事情はいろいろありますが、その決断を彼女がしたのが実に嬉しかったです。この世に生を受けて生まれることこそが、素晴しいことだと思います。
 そして、結婚もまだだし、子どももいない私たち姉弟は、祖父母や叔父叔母夫婦をはじめ親戚中に育てられた恩返しも含め、可能な限り彼女と子どもをサポートしていくつもりです。

 発達心理学や教育心理学で学んだ通り、生まれて間もなく赤ちゃんは微笑んだそうです。(新生児微笑といいます)夕方自分自身もそれを見ました。何ていい顔なんでしょうね。こっちまでニコニコしてしまいます。他でもお父さんやお母さんが自分達の赤ちゃんを見てニコニコしています。病院は様々な人が行く場所ですが、こんな光景が沢山見られると病院もまんざら悪いところではないななどと思ってしまいます。
 彼がどのように成長していくのか。これから楽しみでワクワクします。彼がすくすく伸び伸びと育っていけるよう、その環境を作る手伝いができたらいいなと思っています。そのためにも、自分が今もっている教育における考えや計画を実現できたらと思っています。


参考URL
 発達研究の紹介:京大霊長類研究所のページ

参考図書
 よくわかる発達心理学

新生児微笑ニコニコURL
 安曇野コブ付き生活
 今日の出来事
 ゆうの幸せ毎日
 従妹は育児初心者なので、かなり育児のブログを拝見するので従妹にも紹介してみようと思います。




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2005年11月25日

アサーショントレーニング

 教育心理学で勉強したことです。アサーショントレーニング。下記の絵でそれぞれ自分が子どもだとして何と言うのか、まずは小学校5年生の時の自分だったら何と言うのか考えて書いてみましょう。その次に現在の自分だったらどう言うか書いてみましょう。そして、自分の書いたことに対する感想を書きましょうという一連のトレーニングを勉強しました。


(1)
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(2)
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(3)
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 さて、どんなことを書いているのかということで、結果として大まかにコミュニケーションにおける表現として3つに分類できる訳です。

 1.攻撃的
 2.受身的
 3.主張的

 ここでは攻撃的であるから直そうとか、主張的であるべきだということではなく、自分が普段のコミュニケーションでどのような表現を行っているかということを振り返ることが大切だそうです。
 そして、コミュニケーションは学校だけでなく、家庭でのことば遣いや受け答えが大切であるということです。例えば

 ex.A
  子:「○○したいんだけど」
  親:「ダメよ!」

 ex.B
  子:「○○したいんだけど」
  親:「どうして?」
  子:「それは○○〜」

Aのような短いことばだけで結論を出してしまうと、コミュニケーションは途端に断絶してしまいます。Bのように子どもに語らせることがコミュニケーション能力の向上に繋がります。

 これは家庭だけでなく、実は職場でも言えることです。上司として部下とのコミュニケーションに際して、Aのような対応を繰り返してしまうと次第に「どうせ言ってもダメだ!」などという固定化した反応を生み出してしまい、コミュニケーションが円滑に行われなくなって来るでしょう。結果として部下に不満を抱かせることとなったり、創造的な組織の活動ができなくなって来る傾向があります。
 その意味でも自分のコミュニケーションを振り返る方法として、アサーショントレーニングは有効であると感じました。

 このようなトレーニングは実際はもっと多くの設問があります。ここではアサーショントレーニングの紹介ということで3つの設問のみ紹介されました。
 ちなみに"assertion"とは主張的という意味で使います。英英辞典ですと「1:a statement saying that you strongly believe sth to be true. 2:the act of stating, using or claiming sth strongly.」と記載されています。他にもシステム用語としても使われているようです。
 興味を持ったので早速本を買ってみることにしました。他にもwebで検索していたら参考になるブログがあったので、トラックバックさせて頂きました。

関連図書
 

 その他関連図書


参考URL
 "東京夜話"さん
 "きっさの旅"さん

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2005年11月16日

他にも沢山いるから!は正しい??

 本日は休講でした。そこで今日は心理のお話。女の子に振られて、あるいは男の子に振られて、「他にも女は(男は)沢山いるから!」という慰め方はよく聞きます。しかし、失恋を初めとした悲しみという感情に対する自己の内部での処理はとても重要です。処理の仕方によってはトラウマとなったり、後から大きな反動が襲ったりしてきます。
 「他にも沢山〜」という慰め方は一見他に目を向けるようで、物事が解決していそうですが、それは一種の現実逃避の行動。悲しむという苦痛に満ちた行動を通して、失った対象と自己との関係の再認識を通して、自立した心を取り戻し、前へと進んで行けるのではないでしょうか。このことを自分に教えてくれたのが、

 小此木啓吾『対象喪失』ー悲しむということ、中公新書

です。このことは恋愛に限らず、日常の喪失において言えます。現在、悲哀は現実社会から遠ざけられ、バーチャル化しています。しかし、直接的に失うということに向かい合うことは必ず起きる訳で、特に死や失敗や失恋は避けて通れないものです。その現実にどう自分が向き合って処理して行くかということは考える必要があるのではないでしょうか。
 特に死というのは避けられないもので、自分自身も身内や近しい友人や知人の死に際し、これまで後悔や寂しさなどを号泣をもって経験してきました。ここでは、その避け難い死に慣れろと言っている訳ではなく、死が訪れることの必然性とその人との関係においての自分というものを考え、なかなか整理されない感情を自分の中で整理し、その死を自分の中で納得しなければならないということを言いたいのです。
 思春期だけでなく、子どもたちの死や失敗などの喪失感というものに対して、敏感になってその悲しみが十分子どもたちの中で行われるように、協力してあげることが親や教師を初めとした大人に必要なのではないでしょうか。自分は友人がそのような状況に陥った時に、本人次第と言って傍観する訳でもなく、その人が話したいことがあったらじっくり聞いてあげることを通して、悲しむことへの微力ながら協力をできたらいいと思っています。今の自分にはまだそれぐらいしかできません。

 小此木 啓吾 関連図書

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